25薔薇友訪問記14,藤田さんの庭
藤田さんは創設以来北本オープンガーデン花結会の事務局長として活躍していました。
藤田さんは若くその旺盛な行動力で花結会の発展に尽力し周辺のオープンガーデンの会との連携を即してきましたが、現在では、日本を代表する薔薇の育種家で造園家の河合さんの元で草花担当として、花が趣味でなく仕事になっており、オープンガーデンの時期は浜松の花博で多忙なためオープンガーデンには参加していません。
藤田さんの庭を初めて訪れたのは2016年で北本オープンガーデンを開始した年でした。藤田さんはエステサロンを始めるに当たって実家の土地の1画に家を建て広大な野菜畑をイングリッシュガーデンにしようと試み3年経った時期でした。スペースが広いため宿根草も含めて草花の大半は種子撒きで栽培し、薔薇や立ち木やお父さんに作って貰ったパーゴラで空間を構成していました。私もまったくガーデニングの素人で短期間で草花や薔薇にのめり込みましたが、藤田さんの庭はスペースが広く草花で埋めるのが容易でなく、良く3年で仕上げたものだと驚嘆しました。また草花や植物の探求のエネルギーは尋常でなく、やがては趣味だけでは終わらない予感はしていました。
森田さん同行で撮影の承諾を得ていたので、手早く撮影させていただきました。庭をみると多忙にもかかわらず庭はメンテされており、今でも藤田さんのベースはこの庭にあることが分かりました。プロになっても植物栽培の原点から離れず、植物の様子を自ら確認しながら行動する藤田さんの姿勢に拍手を贈りたいと想います。

藤田さんの庭は森田さんの庭から離れた並びにあります。荒川の河岸段丘上から河川敷を遠くに眺める庭の周辺は、農家の屋敷林が点在する美しい風景です。
美しい林を背景にした藤田さんの庭は、植物たちが自然に寄り添う緑のイングリッシュガーデンそのものです。

ガーデニングを始めた頃、球根草花のギガンチウムの袋を見て、個人の庭でこんな花を植える場所があるのだろうか・と想ったことがありました。当時自分で栽培した事の無い花なら何でも欲しくてしばらく手に取っていましたが、庭植えでないと様になりそうにもないので諦めましたが、藤田さんの庭を初めて訪れた時、真っ先にギガンチゥムの紫の玉が眼に入ったことを覚えています。

藤田さんの庭も13年経とうとしていますが、大株の宿根草がとりなす光景に、いよいよ年季が入って来たなと感じますし、藤田さんは年季の意味をよくご存じのようです。
私は旅に出ると機会あるごとに庭をみます。草花や薔薇庭を見ることは無くほとんどが寺院の庭や大名庭園です。そこでの樹々の姿や低木や下草、通路の処理など年季の入ったたたずまいを見ることが何より好きです。
年季は私の庭を鑑賞する大きなキーワードになっています。

昔から想っていることですが、海洋の中の島国の人々と大陸に住む人々の美意識は異なっているのではないかと想います。
風景には水の存在がからみ島国や米作地帯は、たえず空気中に水蒸気が立ち込めており、遠方の風景は絶えず霞に包まれています。
英国人と日本人は同じ島国で共通した美意識がみられます。花色もビビッドカラーよりも柔らかなソフトカラーを好みます。また自然の風景も、特に水に包まれた緑を好み、庭も花よりも緑を重視します。
破裂した姿のギガンチュウムが片隅に顔を覗かせています。

樹々の様々緑に包まれた庭は奥行きを感じます。

美しい下草の配置です。

