23年薔薇友訪問記8、野田・日下さんの庭

日下さんの庭も9年前から毎年訪問しています。日下さんの庭もランブラーローズと宿根草を中心とした構成の自然風のガーデンです。
庭は広く英国のコテージガーデンのイメージです。特に庭のディテ-ルのあちこちに眼が惹き付けられ、日下さんの目配りを感じさせてくれます。
みなさん、もう疲れたと言いながら昨年に増して充実した庭を見せてくれます。

日下さんの庭は、大きなパーゴラのゲートと大型に成長したニューサイランが迎えてくれます。

今年初めて見かけたアンティークな乳母車です。日下さんはこういうガーデンアクセサリーの扱いがとても上手です。

古い鉄さびたスタンドポットを取り囲む下草と、ポットに植えられた自然なさりげない草花のコンビネーションが見事で、ガーデンの年季を感じさせてくれます。

年季の概念は西欧特に英国、フランス、イタリーの庭や日本の古来の庭に欠かせない概念だと想います。コンテナの意匠のルーツは古代ローマであり、それがフランスそして英国の近代の庭園に復元され、個人の庭で使用するようになりました。
長く使い込まれた道具や用具は、庭に携わった時間の長さを表現してくれます。長い時間を割いて庭に携わることは、必ず円熟した腕も伴います。
オープンガーデンの隠れた楽しみは、円熟した庭の技が見られることです。ガーデニングの難しさと崇高さは、植物の栽培技術や手入れの技術もありますが、それに加えて美を表現する技術が必要です。美を表現する技術はお金だけでは解決せず、それに一番近いのは、年季をかけて腕を磨くか、或いは年季を表現する技術かも知れません。
だからガーデニング先進国の英国では年季の表現に気を遣うのでしょう。

年季の入った物置です。屋根にかぶさったヒマラヤン・ムスクが余計雰囲気を盛り上げています。庭にはできるだけ石油製品を見せず、土壌に還る素材の道具を見せています。これは演出というより、庭のオーナーの自然観の表現になります。

隣家とぴったり合った庭の光景になりました。古びた木のフェンスが効いています。

日下さんの庭は、宿根草や薔薇があたかも自然に生えているような雰囲気の庭を作っています。

足元のディテ-ルです。

ここも足元のディテールです。

さらにディテ-ルを注目します。

同じような光景ですが、視点を変えると別な光景に変わります。

ガーデンの究極は、花も大事ですが、いかに緑を美しく表現するかにかかります。自然の風景は花より圧倒的に緑が多いです。
野田ガーデニングクラブの皆さんは年季が入っているので、この辺りの表現がとても見事です。