24薔薇友訪問記9,野田オープンガーデン小川さんの庭


小川さんの庭は南向きの広い庭で、巨大なサークルと大きなパーゴラ、美しい芝庭と言うように理想的な薔薇庭の概念を全て備えています。
地植えの薔薇や薔薇鉢と草花の鉢も多く、全て美しく維持して行くのは大変な労力が必要ですが、小川さんは手際よく全てそれをやり遂げているように見受けます。

8年前初めて訪問した時、小川さんの庭の薔薇はハイブリットティが中心でしたが、新たにパーゴラを設置しシュラブローズを広げ、今ではハイブリッド・ティのきちんとした木立性の樹形と、優しい表情の草花と共にシュラブ系のしなやかな樹形の薔薇が共存し華やかな空間を作っています。

小川さんの庭は、恒例のカーポート脇の赤い薔薇が出迎えてくれます。

カーポートの奥には年季の入ったピエール・ドゥ・ロンサールが長々と誘引されています。

10年前の小川さんの庭

10年前初めてこの巨大なサークルに接し驚きました。

10年前に比べると今の方が遥かに薔薇は多いです。

小川さんの庭はとにかく広く近年草花が増えましたが、8年目に訪問した際は薔薇が主体で、地植えの薔薇以外に鉢植えの薔薇が数え切れないほど多く、まさにハイブリット・ティの殿堂のような印象を持ちました。
また我が家の薔薇の本数と比較しこれらの薔薇を維持するには、剪定、植え替えには途方もない労力がいるのだろうなと感じました。

数年前右のパーゴラを新設してから、サークルとパーゴラという2つのビューポイントができ、ハイブリット・ティとシュラブ系のそれぞれの薔薇を別に配したため、当初に比べると庭の表情が多彩になりました。

ヤマボウシを中心とした巨大なハイブリット・ティのサークルの左側です。

ヤマボウシの巨大なサークルは小川さんの庭のシンボルです。サークルは庭の表情を一変させます。しかし個人住宅の庭では面積を要するサークルは中々出来ません。
美しい主木を中心として薔薇で周りを囲むサークルは薔薇庭の理想です。

毎年サークルからパーゴラへと歩みを進め芝庭には足を踏み入れなかったのですが、今回は芝庭も回ります。
パーゴラの柱にアイスバーグ・クライマーが大きくからみ、レイニーブルーなどとパーゴラ周辺のビューポイントに誘います。

芝庭の周囲にはしっかりとした縁石で花壇が設置されています。

芝庭の回遊路の先は物置に通じており、物置の前面に小さなパーゴラが設置されゴールドバニーらしき薔薇とシュラブ系のピンクの薔薇が仕立てられています。

以前に比べると鉢植えのハイブリッド・ティが少なくなった半面、鉢植えの草花が急速に増えています。

パーゴラの周囲もシュラブ系の薔薇が増えてきました。画像をよく見たらパーゴラとは別に天幕も見えます。広い庭は薔薇に眼を奪われて全体のレイアウトの把握が困難です。

振り出しの庭への入り口の赤薔薇に戻ってきました。やはり入り口の薔薇は真っ赤な薔薇がふさわしいような気がします。

余談ですが、私も最初に無名のハイブリット・ティの赤薔薇を植えましたが、イメージ通リにならず、それをきっかけとして当時余り国内で余り流通していなかったシュラブ系の薔薇の存在を知りそちらの方に傾斜しました。その過程で今度は英国のカタログでシュラブ系の赤薔薇を探しましたが、世界的に良い赤薔薇のクライマーは少なく、それでもギニーやダブリンベイと出会いました。同時にイングリッシュローズの赤系の薔薇と出会い、トラディスカント、LDブレイスウエイト、ダークレディ、フォールスタッフ、ウイリアム・シェークスピアなど次々と栽培しました。

小川さんと松原さん或いは小布施さんの赤薔薇を見ると、ハイブリッド・ティ系のかっちりした花形の方が効果的でそれも他の薔薇とミックスさせず、入り口に単独でアーチに仕立てることだと近年になって気が付きました。