25薔薇友訪問記15、北本オープンガーデン浪井さんの庭

浪井さんは北本オープンガーデン花結会の重鎮です。
私が数多く花好きな人と出会った中で、浪井さんほど花好きな人はいないのではないかとの印象を、以前オープンガーデンのブログで触れた事があります。
それは具体的にどうのこうのという事でなく、かってそう印象を持ったことがあり、それは今でも変わりません。
浪井さんは北本オープンガーデンガーデンのパンフで、自身の庭を「花々の楽しいおしゃべりが聞こえるような庭」とうたっています。
浪井さんの庭の印象は、庭全体を使って花の大きな寄せ植えを作っているようです。寄せ植えに接する楽しみは、全体の印象にインパクトを感じながらも、寄せ植えの緻密なディテ-ルを楽しむことにあると想っています。
浪江さんの庭のそそかしこのディテールに花々の楽しいおしゃべりが聞こえきます。
浪井さんの庭は寄せ植えやハンギングなど見るべきポイントがたくさんあり過ぎるため、今回はアプローチの下草の見事なアレンジに絞りました。

今回訪れた日は予報に反して雨が上がらず、見学者も1組訪れた中で傘を差しながらの訪問となりました。雨に打たれて花々はうつむいていますが、今の季節雨が上がると一斉に上向くでしょう。

浪井さんはハンギングバスケットの講師をおやりになっていただけに、寄せ植えのアレンジは手慣れて見ごたえがあります。寄せ植えのアレンジは手慣れているか、ぎこちないか見れば直ぐ分かります。浪井さんの作業は拝見した事がありませんが、それぞれ性質が頭に入っているため手早いのでしょう。

オープンガーデンの表示はカーポートの下のテーブルにありますが、こちらの花結会のサインも素敵です。

浪井さんの庭は家のフロントガーデン全体が庭ですが、門柱の周りもしっかり演出されています。

フェンスに仕立てられたピエールが貫禄です。オープンガーデンを始める以前からあったのでしょう。ピエールの前は奥行きのあるボーダー花壇になっています。
私はガーデニングを開始した時からボーダー花壇に憧れて、前庭に作りましたが日当たりが今一で宿根草が持ちませんでした。その代わりボーダーの背景にハイブリットティの枝変わりのクライマーを2本植えましたが、3年経っても柔らかな高性種や中性種の草花のマッチせず、知人に貰って貰って後に植えたのがイングリッシュローズでした。同時に別な場所に植えたダマスクのイスパファンとアルバのマダム・ルグラ・ドゥ・サンジェルマンと共にシュラブローズとの出会いでした。もう30年以上も前の事でした。

このボーダー花壇の厚みを浪井さんは上手く処理しています。

庭の中央のアーチにはロココとパレード?がたわわに仕立てられています。

アーチの後ろには奥行きのある花壇があります。オープンガーデンのお宅を回るようになって、私に花壇を見る基準が芽生えました。それは花壇の中に土が見えないことでした。
それぞれ寿命や夏期の異なる宿根草や花期の短い一年草を密集させて植え込むことは、知識や技術が必要ですが、それ以上に大変なのは雑草や花期の終えた草花の日常のメンテです。多分美しい庭を維持するガーデニングのネックはここにあるために、多くの人々が上手くいかない事を理由にして脱落して行くのでしょう。

浪井さんは庭に死角を作りません。スペースのある所隅々まで活用します。普通はコンテナや鉢を置いておくだけですが、浪井さんはハンギングバスケットと仕立て用具まで使って
演出しています。またオベリスク仕立てのアンジエラのボリュームのあること、横に斑入りの樹迄並べています。

ここから玄関までのアプローチの下草のアレンジは見どころがあります。昨年気が付いたのですが、今年はどのように演出されているか楽しみです。

イングリッシュガーデンのような西欧式の庭で楽しむ場合、コッツウオルズストーンやサビ石以外は洋風草花に合わせづらく排除してしまうことが普通ですが、浪江さんは石をそのままに下草の選択を和洋取り交ぜて行い、あたかもそこに日本の自然があるがごとくアレンジします。

形は和洋折衷ですが、日本から移設したギボシはイングリッシュガーデンの下草の象徴です。秩父山塊の石と和洋の下草の取り合わせは、この場面だけでも我が国の自然の表現するアートです。

凝った顎アジサイの青色が雨に当たって美しく輝きます。浪井さんの庭のアレンジを見ると、花は晴れた日だけでなくこの季節は雨の方が多いため、晴雨万能型の庭のような作り方です。庭は花だけでなく緑が重要だと言うことがよく分かります。

浪井さんの庭のテーマ「花々の楽しいおしゃべりが聞こえてくる庭」といようにワンちゃんも一緒におしゃべりをしているようです。

この強烈なライムの植物の名をお聴きしましたが忘れてしまいました。
カラリーフはハンギングから発展してきたので、浪井さんにとってお手の物なのでしょう。