25薔薇友訪問記18、北本オープンガーデン新井さんの庭

2016年から北本オープンガーデンに参加していた新井さんが亡くなられて3年が過ぎました。新井さんが亡くなられた後も奥様は周囲の人々の協力で大変なご苦労で北本オープンガーデンに参加されてきました。

新井さんは新井電設という電設会社を経営していました。業務内容は鉄道の信号機などの設置やメンテが主ですが、元々北本で13代続いた農家で、新井さん自身も花卉農家を目指して、花栽培を農業の専門学校で本格手に学んだため土壌や肥料に詳しく、一度薔薇の栽培方法も体験してしまえば、薔薇の能力を最大限引き出すのはお手の物でした。

更に電設の資材と溶接技術を駆使して、薔薇を仕立てるための巨大な構築物の設置も得意で、瞬く間に巨大なローズガーデンを作り上げてしまいました。2016年のオープンガーデンで新井さんの薔薇を見た時、思わず絶句してしまいました。

今年はランブラーローズの開花が遅く、普段の年は花がアーチを覆うヒマラヤン・ムスクが咲き始めたばかりです。

2017年、初めてのオープンガーデン

この巨大なアングルを見て最初に絶句してしまいました。新井さんの遊ぶ心が表現されています。

2022年オープンガーデン

この年は薔薇の開花も早く、見事なゲートと出会いました。

オープンガーデンの最初から使用していた新井さん手作りのオープンガーデンのサインです。分厚い銘木を使用しています。

オープンガーデンの期間は暑い日が多いので、この藤棚の下が見学者たちの格好の休み場所です。

2017年初めてのオープンガーデン

藤の枝で茂った藤棚も最初はこのようでした。新井さんの人柄がよく表れている藤棚の休憩スペースです。

開花の早いスパニッシュビューテイは花が終わりかけてきていますが、例年満開近くなる左の大株、紫のロジャーランベリンの開花は遅れています。

2017年初めてのオープンガーデン

初めて新井さんの庭で、このドームも絶句した一つです。新井さんはデザイン力も備え、デザインは私が想像もできないほどオリジナリティに溢れたデザインです。世界中でもこのデザインのローズドームはこのド-ムだけです。

2023年

巨大なドームのスパニッシュ・ビューテイとロジャー・ランベリンです。

2023年

藤棚名の下から撮影したドームです。

奥様のご努力で薔薇はきちんと管理されています。薔薇は放置していたら直ぐジャングルになってしまいます。

それぞれ懸命に咲いています。

2017年初めてのオープンガーデン

新井さんと初めてお会いしたのは、2016年だったか15年か年の記憶は定かではありませんが、藤田さんのお宅でした。新井さんは薔薇栽培を始めた時で、新井さんの庭は広いようなお話でした。2016年オープンガーデンで初めて訪問した際、余りの薔薇のスケールに驚きました。その時新井さんはあの人懐っこい顔で、電設会社をやっているけど、実は素人でなく、若い頃は花卉農家を目指して埼玉の名高い園芸専門学校テクノ・ホルティの出身で、薔薇の肥料は自作の有機肥料を使用しているとの事。その内容を尋ねたら、成分は完璧で、巨大な薔薇に仕立てられる秘密が分かりました。

2022年

アイスバーグクライマー、ロイヤルサンセット、カクテルなどなど、左には大株が難しいバロン・ジロー・ドゥ・ランがあります。

2022年

新井さんと浪井さん、藤田さん、私の友人と記念撮影です。

2017年初めてのオープンガーデン

オープンガーデン初期には母屋の日本庭園も公開していました。13代続く旧家だけあって実に見事です。石に造詣が深い新井さんは、各地に出かけて気に入った大型の石を集め、豪快な石組みを作っています。この日本庭園を見るとこの地に根付いた旧家の面影が彷彿できるのです。

13代というと南北朝時代か室町時代でしょうか。

新井さんの石集めの話も面白かったです。

新井さん宅の納屋の前を通りかかった時、特殊自走機械を見つけました。通常は平地の仕事ですが、たまにキャタピラの自走車を活用しないと近づけない場所の急斜面の信号機の設置やメンテを行う新井さんの器用な仕事ぶりが想像できました。
新井さんにとってローズガーデンづくりは、仕事を離れた新井さんの遊び場だったのでしょう。