24薔薇友訪問記15,北本オープンガーデン新井さんの庭

元々新井さん宅は北本で13代続く農家でしたが、新井さん宅は鉄道の信号機など設置や保守メンテを行う電設会社を経営していました。
趣味人の新井さんは、広い敷地を活かして豪快な薔薇庭を造りました。電設の技術を活かし巨大なゲート、パーゴラ、ドーム、フェンスなど全て新井さんのアイデアと技術で構築し薔薇を仕立てたのです。

また趣味人の新井さんは、名石の収集を好み、裏庭には巨石を集めた和風庭園も展開しました。

しかし元気だった新井さんは急に亡くなられてしまいました。現在では奥様が新井さんの意思を引き継ぎ、関係者によって薔薇のメンテナンスも滞りなく引き継がれオープンガーデンに参加しています。

巨大なヒマラヤン・ムスクのゲートをくぐると目の前に新井さんオリジナルの巨大なドーム形の吊り薔薇が迎えてくれます。
奥のラーメン店は新井さんが土地を貸している店舗です。


新井さんが手がけていた電設事業の鉄道の信号機が設置されています。

新井さんの手作りのオープンガーデンの看板が迎えてくれます。

昨年も書きましたが10年以上前、北本オープンガーデンの浪井さんと藤田さんと私が薔薇教室を行っていたガーデンセンターで知り合いになり、オープンガーデンの人たちが藤田さんの庭に集まり、植え込んでいた薔薇を使用して剪定作業の教室を行ったことがありました。
終了してからの昼食会で、その時初めて新井さんとお話する機会がありましたが、新井さんは趣味で少し薔薇栽培を始めていたようでした。私がお尋ねすると害虫の薬剤にも詳しく、栽培している場所も広大であることが判り、農業のプロに向かって薔薇の講習を行うことに恥ずかしさを覚えました。

その時新井さんの頭の中には壮大なドリームランド薔薇園の構想が出来上がっていて、その時既に着手されていたのでしょう。

新井さんはガーデンの周りから植栽を始めましたが、想像を絶する巨大な樹形を作り上げるには、相当土壌について実践的な知識が無いと無理だと想い
新井さんに尋ねたら、実は農業を継ぐとき花卉農家を目指し農業の専門学校に進んだことを初めてお聞きしました。
薔薇の植栽に当たってオリジナルな肥料と土壌を作っているとの事で、肥料と土壌の成分をお聴きしてその内容が分かり、それで全て納得しました。

巨大なアイスバーグです。でもこの巨大さはどこの薔薇園でもお目にかかったことはありません。

実は今回北本のオープンガーデンに同行している鴻巣の篠崎さんと新井さんは中学時代の同窓生です。篠崎さん宅の葉入り口に見たことのある薔薇の釣り具がありましたが、尋ねると新井さんの作と分かりました。

上のピエールの横にバロン・ジロー・ドゥ・ランの巨大な株があります。私の経験ではバロンは決して新井さんの庭のように巨大にならず、また意外に寿命が短い印象がありますが、新井さんのバロンはいつ見ても元気です。
バロンとはしばらく離れていましたが、新井さんのバロンを見て再び?三たび?かな。また手に入れました。

このピエールはそれほどでもありませんが表の通りに面したピエールは恐ろしく巨大です。

パーゴラの下は風が通り別天地です。昔は5月中旬の光はこんなに強かったでしょうか。

暑いのでオープンガーデンを回る人たちはしばし休憩です。

入り口のゲートを中から再確認します。ヒマラヤン・ムスクは最大樹高9mとされていますが、もうすでに越えています。