23年薔薇友訪問記6、野田・小布施さんの庭

小布施さんのオープンガーデンを見るのは今年で9年目ですが、それとは別に肥後さん宅を訪問した時は、肥後さんと何回か同行したこともあります。
正式には同じ時期に9回訪問していますが、いつも感じるのは庭に手を抜いていないことです。

小布施さんは活動的で他の用事もお忙しいでしょうが、いつ見ても隅々まで手が入った緻密で美しい庭が保たれています。

大体がオープンガーデンに参加されるお宅の庭は、土が見えない緻密な庭がほとんどです。熱心にガーデニングを行っている人々は、他のお宅の庭を拝見しながら、いつも自分の庭と比べながら見ているはずです。
庭は広さや庭の方角、陽当たり、風通しなど、それぞれ家によって条件が異なるため、比較すること自体ナンセンスなため、比べることは皆無ですが、唯一絶えず自分の庭と比較する箇所は、雑草など手入れが行き届いているか、どうかです。そうして緻密で手入れの欲行き届いた庭を見た後、自分の庭を前にしてがんばろう!という気になるのです。
小布施さんの庭は、その意味でも最高のモデルと想っています。

玄関前の表情は毎年変わっています。

いつもシェードガーデンのこのコーナーは撮影を忘れてしまうのですが、緑の美しさに惹かれてシャッターを押しました。

小布施さんの庭は初めて見た時から、自然の樹形や形を大切にしているように感じました。樹形は無理やり整形せず放任しているように見えますが、足元を見ると
キチッと締めています。

野田のクラブの人たちは足元の処理が実に上手です。密集させても乱れさせず、見事に決めていますが、これも日々の手入れの賜物です。

長く続いた雨のため、皆さん早朝から花柄の処理など大変だったと想います。グレハム・トーマスの花弁にはまだ雨水がたっぷりと含まれています。

ディテールが美しくないと風景は大味になります。しかしディテールを美しく保つのは、日々の手入れが大変です。ですが日々の手入れだけでディテールを美しくできるか、そこには何を美とするか、それを実現するための情報が必要です。同じ園芸作業でも花のガーデニングが野菜づくりと根本的に異なるのは、この点だと想います。

このアーチが無く上半分に空が見えたらどうなのでしょう。アーチは空間に優しい緑を供給してくれます。

小布施さんの庭はアーチを多用し、空間を演出しています。

美しい緑、これも小布施さんの庭の一つの特徴です。