冬の家庭菜園
私は冬の畑を眺めることが好きです。しかし好きだからと言っても、わざわざ畑の風景を見に行くのではなく、ウォーキングの合間に横目で一瞥するだけですが。
冬の畑は、植えられた僅かな葉采だけが緑の色を見せていますが、寒冷紗に覆われた野菜以外、土譲が剝き出しで荒涼した光景を見せています。
しかし冬の畑は、見た目では荒涼たる光景にしか見えないし、僅かな緑を見せる菜采も根も成長への活動は極めて緩慢な姿でしかなく、地中の虫たちも最低限の生命維持の活動だけで、来るべき活動の時期に備えて休眠しているようです。
しかし野菜の緑に包まれている季節よりも、土壌が剥き出しになっている荒涼した冬の畑の方が、かえって地面の中で自然の営みが活発に行われている事を強く感じます。
自然の営みとは、目に見えない微生物が地面の中で活発に活動し、土壌を分解し腐植化を進め土壌の団粒化を促進しているように感じます。
30数年前ガーデニングを始めた時から、試行錯誤しながら微生物の活動による自然の働きを活かした有機栽培を行って来ましたが、見た目では荒涼として静かな眠っているような冬の土壌の中でこそ、自然の命の営みが活発に行われ、目には見えませんが土壌が躍動しているように感じる様になりました。
私が真冬の畑の風景が好きな理由はこのことです。
冬の家庭菜園で気になっていたことは木の剪定です。借りている菜園の際から、ずっと以前借りていた人が植えたらしいスモモの木があります。
今まで、涸用水沿の畑は他の人が借りており、除草しないで放置した雑草が背が伸びて、冬になっても木を覆っていたため、近寄ることは出来ず、春に花が咲いても良く見えませんでした。
昨年、用水沿いの畑も我が家で借りることになり、冬に涸用水の中の背の高い雑草を切り取った結果、花が咲いて杏だと想っていた木がスモモであることが判り、大量に実が収穫できたため、3か月も毎朝ジャムを楽しみました。
このスモモの木は植えてから何年たったのでしょうか、一度も剪定されず枝も伸び放題で、手前からどこからか飛んできた実生のケヤキが成長し、更に夏になるとカラスウリや不明のつる性植物が繁茂し、また枝も高く伸びて手に負えなくなっています。
冬の時期に、幹や枝を切ってつる性植物を整理しないと管理不可能になるため、この冬整理のために枝整理が必須でした。
スモモの木の隣に涸用水の中から、樹種の解らない木も生えています。昨夏邪魔だったため枝の半分を切りましたが、このまま放置すると樹高が伸びて手に負えなくなるため、この樹も冬に枝整理が必需でした。
この時期に枝を整理することは花芽もついているし、実も余りつけないかも知れず邪道ですが、それより管理可能な樹形を目標にしました。
スモモの木に生えたケヤキと手前の不明な樹は枝を残さず、幹をばっさり切りました。
2本の樹の枝の整理ですが、午前中だけでしたが2日を要しました。2日目は脚立が立てられないため高枝ノコギリを持参して高い枝を切りました。
実際に時間を要するのは、切り取った枝の処理です。
細い枝と太い枝、幹を分類し、細い枝は早く枯れる様に細かく切断し、太い枝と幹は腐食まで年数を要する為邪魔にならないように整理して並べました。
もっと切りたかったのですが、花が少なくなってしまうと寂しいため、かなり我慢して枝を切りました。
晩秋に植えたタマネギの苗は、枯れずに順調に生きています。ほとんど成長は止めていますが、春になると本格的に成長します。
葉物は家内が種子を撒いて育てています。秋に撒いたチンゲンサイです。
上のキヌサヤは何本か枯れてしまいましたが、家で霜を避けて育苗している苗は元気なため、家内が枯れた苗の跡に何本か植えました。
小松菜とホウレンソウ、三つ葉です。菜園は無農薬で行っているため葉物野菜は、害虫の活動しない冬から春咲きだけ栽培しています。
家内は今日は小松菜を収穫しました。
地中に保管しているサトイモを1株、掘り起こしました。家内は最近サトイモのグラタンを開発しました。思いの外おいしく、少しサトイモに飽きてきた私にとって朗報です。