薔薇のエッセイ4、23年我が家の薔薇庭


4月は気温が高い日が続き、庭の薔薇も一斉に蕾を付け始めました。その時は5月のGWの開始前に全て薔薇が開花し、GW後のオープンガーデンでは全て薔薇が散ってしまうように想われました。
しかし事前に案じていたことに反し、4月末から5月初は気温の低い日が続いたため、薔薇の蕾は膨らまず結果的に薔薇の開花は、例年より少し早かっただけに終わりました。

今年何回か撮影した画像を振り返ってみると、皆朝日が強すぎる時の画像で、光が反射して緑や花が美しくありません。曇りの日が少なく、朝のウォーキングを終えてカメラを構えると既に薔薇は朝日を浴びていて、光を反射した平板な画像ばかりで選択には苦労しました。
またかってのように薔薇特有の華やかな色彩で圧倒される光景は作れず、どの画像を見ても緑を主とした楚々とした地味なものばかりで、いわゆる華やかなローズガーデンの光景には程遠いものでした。

この1年間、私なりに手を抜かず庭作業を行って来ましたが、私が枯れて来てしまったのか知らず知らずの内に、楚々とした地味な光景しか作れなくなったのでしょうか。案外私の宇宙観や自然感が歳と共に変化しそのような表現しかできなくなってきたのかも知れません。

今年の薔薇庭訪問記もこれで終わりです。今年もさまざまなタイプのお宅の庭を訪問しました。改めて想い出してみるとほとんどのお宅が、私がガーデンセンターで薔薇教室を主宰していた時の参加がきっかけとなって知り合った人たちばかりでした。
私は現役の仕事を辞める時、まだ少し若かったので仕事を続けようと想い選択を考えましたが、もうマネジメントの仕事は終わりにして趣味の仕事を行おうと、知り合いの園芸植物卸業者の社長にお願いして、週3日ほどの勤務で趣味の薔薇の企画に従事しました。その時私を知る人たちはどうしてマネジメントと無関係な薔薇の仕事についたか不思議がっていたように感じました。やがてガーデンセンターで時折薔薇の接客を行う内、従来の薔薇とシュラブローズの違いが、本当に解らないお客様が多いことに気づき、住宅地での薔薇栽培を前提としたシュラブローズの薔薇教室を行おうと考え、12年の年末から教室を定期的に開催したのです。今、降り返って見ると、人生の終盤、趣味の薔薇の仕事を行って来て良かったなと想います。

もう一つ宇宙観で想い出した余談ですが、先日PCにチャットGPTの窓が眼に入って、試しに仲間とのPC句会の季語を入れて句を作ってくださいと問うたら、それは不可能でした。その時宇宙観という言葉がひらめいたので問うたら、その回答は三千世界に始まり、仏教世界に話が及び、仏教の宇宙観を学ぶにふさわしい本の名を3冊挙げ、更に哲学的な質問をわざと繰り返したら、次々と模範的な答えが返ってきました。これでは大学のレポートなど直ぐできてしまうと想いました。
改めてチャットGPTの凄さを体感しました。

私の歳だと次の時代は見ることができないけれど、どんな世界が広がるのか、想像すること自体も脳力が問われてきます。


毎年、4月中旬から下旬にシラーが咲き始めると、我が家の薔薇の季節が始まります。春の瑞々しいブルーが大好きです。

最初はいつも木香薔薇からシーズンは始まります。今年は4月中旬には満開となりました。

モッコウバラが咲くと、チャイナローズのオールドブラッシュが咲き始めます。この薔薇はピーターの輸入薔薇ですが20年以上植え替えたことはありません。
東欧製の台木のラクサはとても丈夫です。

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いつもは開花の遅いアルベルチィーンやポールズ・ヒマラヤン・ムスクは、早く開花し始めました。この2種はピーター・ビールズの薔薇ですが、我が国で初めて輸入したものです。

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ラ・レーヌ・ヴィクトリアも例年より開花が早いです。私が勝手にブルボンの3姉妹と名付けているカップ咲きを3本まとめて植えていましたが、カミキリ虫にやられ今はヴィクトリア1種になってしまいました。

今年は鉢植えの薔薇をことごとく庭植えにしました。纏めて植えた薔薇は小花の原種系ばかりだったので、花にボリュームが無く、カラーもインパクトに欠けるため写真写りが冴えないです。

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いつもアルベルティ-ンを誘引していたベランダ下に、ヒマラヤン・ムスクも誘引しました。この時はアルベルティ-ンはまだ開花していません。

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いよいよ本格的な薔薇の開花が始まりましたが、例年のように一斉に咲かず少しずつ開花がズレました。

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プロスペリティです。

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今年はパーゴラの上に2本のランブラーを誘引しました。北本の松崎さんから頂いたフェアリーの変種と、庭から移植したヴィオレットです。白の雪明りはパーゴラに設置しましたが、ランブラーによって日照が不十分だったため、余り咲きませんでした。

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フェアリーの変種とヴィオレットそしてイングリッシュローズのウイズリー2008が絡まって来ています。

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上の3種のからまりです。

アルキミストを誘引しましたが、頭の上で隠れてしまい効果半減です。私も下手になりました。

この奥にさまざまな薔薇を仕込みましたが、今年は未だ充実していなく賑やかになりません。ルディーテは今年で20数年になり少し衰えて来たように感じます。

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今年はクレマチスが薔薇の肥料を横取りして元気旺盛です。アーチに這わしたダイアナも元気旺盛ですが、薔薇が邪魔して写真がとれません。

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オベリスク仕立てのサー・ジョン・ミルズも元気です。

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ロココです。20年間家庭菜園の片隅に放置してきましたが、今春移植し無事根付いたようで遅く花を咲かせてくれました。

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クラウン・プリンセス・マルガリータは数少ないイングリッシュローズになってしまいました。隣は元気なマイディアです。

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レッドキャスケードです。その名の通リ仕立てて見ました。

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レッドキャスケードとドロシー・パーキンスです。

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ドロシーが咲き出すと薔薇の季節の終わりを感じます。ガーランド仕立てです。

1昨日大雨予報が出ていたので、花は全て切りました。ドロシーの利点は花びらが飛ばないことですが、雨を吸うと見苦しくなるため、彼女のために早めに切りました。

薔薇が終わるといつの間にかアジサイの季節です。

カシワバアジサイです。じつはこの柏葉は隣家の庭のもので、我が家のモッコウバラの上に身を乗り出して咲いているのです。