薔薇とガーデニングエッセイ・春の草花・桜・新緑そして薔薇

薔薇の開花が秒読みになりました。
桜の季節TV各社の天気予報で、気温が高いため開花が早く、すぐにでも満開との予報が大勢でしたが、開花してから気温の低い雨の日が続いたため、中々満開にならず、またゆっくり咲いたため開花期間が例年の7割以上長かったと思います。近年のTVの天気予報は、報道も含めて気を引くためにセンセーショナルな報道が多く、多くの人は自分の地域だけが開花が遅れてしまう印象を持ったのではないかと思います。

今は昔と違ってスマホで気温予想も掲載されているので、事実だけ伝えれば良いのに、厚いとか寒いとか、何を着たらよいのかとか、大雨とか大風などTVなどではセンセーショナルな予報が常態化しています。今私たちが求められているのは空調の中でなく実際の体感として、暑さ、寒さの感覚を温暖化の気温に早く適合し対応することであり、天気予報はそれを妨げてはいけません。

3月30日、見沼桜回廊東縁歩行の翌日

路線バスを乗り継いで見沼桜回廊の東縁を歩いた時、土手のあちこちにムスカリが群生していました。この日は3月29日ですが桜は8分咲きでしたので、人々は桜の足元に広がるムスカリや白いニラバナの撮影に熱心でした。
私も気になって庭のアチコチで咲いているムスカリをカメラに収めました。

ニラバナと二輪草

我が家の庭の片隅のモッコウバラの根元は、良質な残土の盛り土にしていますが、ここのスペースは30年前から自然に放置しており、近年では夏になるとミョウガが生茂るため、ソウメン用の薬味のミョウガは購入したことが無く自前調達ができます。
このスペースは二輪草を植えたのか記憶がありませんが、春になると二輪草が群生し、我が家で唯一手つかずの自然を感じさせてくれるスペースになっています。ハナニラも植えた記憶はありませんが、鳥が運んできたのでしょうか?

本当に短い期間ですが二輪草が満開になると6月の新緑の穂高を想いだすのです。

二輪草の群落といえば6月の穂高、徳本峠越

前日島々宿に泊まって1日上がりで徳本峠小屋に着きました。翌朝残雪の穂高の素晴らしい眺望が楽しめました。私の頭の上のコルが天狗のコルで、白い天狗沢が突き上げています。稜線の右から左は順番に天狗岩の頭、間ノ岳、西穂高です。天狗のコルから右へは黒い畳岩の稜線を辿るとコブ尾根の頭、ジャンダルム、その右の小さな突起が片方しかないけれどロバの耳でそこから馬の背を辿れば奥穂高です。この稜線は複雑で遠望しても実際に辿っていないと突起は特定できないでしょう。

明治大正時代は梓川の道が開通しておらず、上高地に入るためにはこの徳本峠を越えて行かないと入れませんでした。江戸時代末期この険しい徳本峠の山道は上高地や徳澤で製材した白木を牛に背負わせて奈川戸まで運び、そこから尾張藩管轄の尾州岡船と呼ばれた牛の輸送で上州倉賀野まで運び、利根川舟運で関宿から江戸川経由で行徳まで運び、そこから小名木川運河で日本橋付近まで輸送しました。昔老舗の百貨店白木屋の前身は江戸の材木商だと想像します。

徳本峠の道は、特に長丁場で大雨で道が破損することが多く、怖い渡渉もあることから、登山道ばかり歩いている登山者には無理な道です。

明神池近くの新緑

徳本峠から梓川を目指して下ってくると、地中ブナや白樺の樹林に出会います。新緑の季節は息も止まるほどの美しさです。足元には二輪草の群落が広がっています。

二輪草の大群落

この時期の上高地一帯はどこでも二輪草の群落がみられます。ただ期間は数日で、開花期間に合わないとみることはできません。

3月30日、想いは我が家に戻る

この頃はまだ気温が高くないため草姿が乱れていませんが。

薔薇の新しい穂がどんどん伸びてきました。

薔薇の新芽の赤い穂が大好きです。やがて色は緑に変わりますが、赤い穂はパワーに満ち満ちているようです。

オルトランやスミチオンの全面散布は年1回しか行いません。この赤い穂を見ていると害虫から守ってやりたくなります。風の無い夕方、面倒だけど物置から噴霧器を引っ張り出して全面噴霧を行いました。手袋、作業用メガネを使用しますが、夕方だとこのまま着衣は洗濯に出せるし、自身もシャワーで薬剤を流します。

4月6日、7日の花吹雪

今年の花吹雪は実に見事でした。特に6日は前日大雨が降ったこともあり、土手の通路は見事な花の絨毯で覆われ、用水は花びらがよどむことなく増水した川の早い流れに乗って
夢のような美しさでした。この時カメラもスマホも持参しなかったので、翌日、撮影しましたが、前日のような見事な場面には遭遇しませんでした。

桜が終わると菜の花が満開になります。

土手も菜の花、ダイコンソウでカラフルですが、やはり自然の植物の優しいカラーは美しいです。

4月8日

桜が完全に終わると私の眼は、我が家の庭に注目してきます。

オープンガーデンに参加する方々は、このような花壇の処理がとても美しいです。
オープンガーデンを尋ねる際は、立体より花壇の処理に眼が行ってしまいます。
この程度の花壇は何もしていないのと同じで、オープンガーデンの人々とは時間のかけ方、植物にかけるお金のかけ方が、私とは雲泥の相違です。

昨年10月末から植え替えたビオラのシーズンがようやく終えようとしています。近年はビオラの花柄を積むのが面倒になったので、よほど目障りになった時のみに積みます。
ガーデニング創世記は、出勤前にビオラやパンジーの花柄を丹念に摘まむと、真冬でも分枝して株が大きくなることを知りました。何事も初心の時の方が真面目で、その真面目さが懐かしいです。

前庭

前庭も茂ってきました。

日に日に薔薇の緑が増えてきました。この時期成長不良な薔薇が目立ちますが、小さな薔薇1本を除いて見な健在でこのままつつがなくシーズンに突入するでしょう。

今年剪定に気合を入れたパーゴラの薔薇が、良く茂ってきました。ヴィオレットとフェアリーの変種、プロスペリティとクリシュチアーナのコラボです。

4月11日

主庭の薔薇もいっそう茂ってきました。

パーゴラの薔薇も茂っています。

4月12日

待望のシラー(ブルーベル)が咲き出しました。大昔ロンドンのハイドパークに咲いてるブルーベルに魅せられて手に入れましたが、風土が合わず翌年は咲かずいつのまにか溶けてしまいました。

このシラー(ブルーベル)は緯度の低い我が国ではロンドンのブルーベルのように濃い青にはなりませんが、それでもこの瑞々しい春の色は大好きです。

イングリッシュローズの巨人

いつも最初に咲いてくれる大型薔薇、イングリッシュローズのエイブラハム・ダービーとウイズリー2008。エイブラハム・ダービーは30年近く前、最初に購入したイングリッシュローズの1本で、特に愛着があります。
イングリッシュローズの各品種の名は、英国の歴史に関わる人の名が多く、オースチンの著書ではその品種が偉大な歴史人にあやかってそうありたいと願って名づけたものだと触れていますが、薔薇そのものに偉大な歴史人による重みを感じることが多いです。エイブラハム・ダービー1世は石炭からコークスを取り出し鉄鉱石と共に溶鉱炉に入れ高温にして鉄を取り出す技術を確立し、2世は更に溶鉱炉に蒸気機関を活用し大量の空気を送り、鉄の大量生産技術を確立し、英国のみならず人類の産業革命の基礎をつくりました。
エイブラハム・ダービーの美しいアプリコットの中に溶鉱炉で燃える鉄の炎を感じるのは私だけでしょうか。また薔薇は並外れた強健さを備えていて薔薇の世界の産業革命と言いたくなる品種です。

オールドローズの巨人

ブルボンローズのスーベニール・ドゥ・ラ・メゾンです。ナポレオンの皇妃ジョセフィーヌはカリブ海の小島のプランテーションを営むフランス貴族の娘ですが、薔薇を愛好し世界各地からオールドローズを収集し、自分の館マルメゾン宮殿に植え、おかかえ画家ルデゥーテに薔薇を記録させました。今日画集として再版されて残っていますが、多分まだ写真の無い時代この図鑑は新しい薔薇を交配するために非常に役立ったのでしょう。

マルメゾン宮殿の想い出と名付けられ1843年に作出されたこの薔薇は、オールドローズには珍しく大輪で香りも返り咲き性も良く強健で、カップ型からクォーターロゼットになる花形はイングリッシュローズの隠れたモデルになったと想います。

平戸松浦資料館で見た18世紀のオランダ薔薇図譜

平戸藩主松浦家は古来倭寇の元締めだったと想像しますが、戦国大名たちが君臨した武断政治から島原の乱以降幕府の文治政治に変更した後、松浦家歴代藩主は細川家や白河松平家と共に全国諸侯の中でも知的な興味を重んじる学芸大名として先んじていました。松浦家は鎮信流茶道を起こし、江戸時代を代表する教養溢れる藩主が続き松浦静山は「甲子夜話」を現わしました。
結婚間もなくの頃家内と松浦資料館で当時の手工芸の極致の壮大な大名びなに出会い、感銘を受けました。10年ほど前奥州白河城博物館でこの大名びなに出会い、驚いて学芸員の方に尋ねたら老中白河藩主松平定信の娘さんの婚姻に同道した雛飾りでした。その1ヶ月後長崎、平戸旅行を予定していたので、この雛飾りは平戸に行っても観ることができなかったでしょう。この時松浦資料館で1700年代のオランダ植物図譜が展示されていました。静残が出島で求めたものと想いますが、他に数冊医師などが購入していたようです。当時のオールドローズの宝庫です。多分ルデューテのマルメジンの薔薇図譜もこういう形で出版されていたのでしょう。

主庭の状況

主庭は前庭と比べて日照が悪く、家屋側を除いて冬の間はほとんど陽があたりませんが、3月から当たり出し茂ってきます。

もういつ開花してもおかしくない状況です。

モッコウバラが咲いてきました。

茂るので毎年きつく剪定していますが、少し可哀そうです。

4月13日前庭

このオベリスクにはロココ、ジャスミーナ、ジェーン・オースチン、部分的にはルデューテを絡ませています。

クレマチスが旺盛に伸びてきました。

最初にオールドブラッシュが咲き始めました。

4月18日、桜回廊の新緑

桜が終わると見沼用水沿いは新緑の季節になります。桜の新緑も良いですが、対岸の見沼斜面林の常緑樹の新緑も見事です。

常緑樹の新緑は新緑の緑の期間が短く、直ぐに濃緑色になってしまうため中々新緑と出会う期間が短いです。

4月18、19日

いよいよ待望のシラー(ブルーベル)が満開になりました。これが終わると本格的な薔薇の季節が始まります。

4月18日春の草花

ワスレナグサ

クリサンセマム

ネメシア

マーガレット

ディモルホセカとムルチコーレ

ロベリアとハナカンザシ

4月21日

なぜか毎年欠かせないデージー

オールドブラシュの本番開始

一番気に入っている香りの薔薇、オールドローズのフランシス・デュプルイユ

久々の第1級の薔薇イングリッシュローズのジェーン・オースチン

もう幻の薔薇となったイングリッシュローズ・ルデューテ

クレマチス苗からアンドン仕立てにしました。アンドンが短くなったので上にアンドンを足しました。