23年薔薇友訪問記19、北本・松崎さんの庭

きたもとオープンガーデンの案内パンフで松崎さんのガーデンは「バラの花咲くかくれ家」というタイトルで紹介されています。
この言葉がぴったりなように、通リからは松崎さんのガーデンの全貌は判りません。
しかし門から1歩入り高い薔薇の回廊を辿ると次々とダイナミックに場面が変わり、まるでおとぎの国の家の庭に迷い込んだような錯覚に陥ります。
そして、霧ならぬ薔薇の中に本当のおとぎの国の洋館が現れるのです。
松崎さんの庭は、パンフの案内通リ「バラの花咲くかくれ家」なのです。
松崎さんの庭の凄い所は、誰の力も借りず、一人でこのかくれ家を実現したことにあります。
まさに松崎さんの庭は、松崎さん自身が構想、脚本、そして舞台演出と小道具づくりを行い、松崎さんの演出による、主役、脇役の薔薇や草花たちがかくれ家で演じる劇場でもあるのです。

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オープンガーデンで来られる人たちは、松崎さんの庭の門に到着してもいきなり入らず、一息呼吸を整えてから入ります。門の前では既に、庭の圧倒的な予感を感じるからでしょう。

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庭に1歩足を踏み入れると左右高々と薔薇が迫ってきて、最初に土肝を抜かれてしまいます。

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松崎さんの薔薇の高い回廊は、北アルプスの残雪の立山の雪の大谷ウォークを彷彿されます。周囲は雪の壁で真上の空だけが見える道でとても迫力があります。
以前は私も若く体力があり、この薔薇の壁の裏側を覗いて凄いなと感心しましたが、近年私も体力が無くなったせいか、今年改めて薔薇の壁を眺めてみると、今の私ではとてもこれは出来ないと感じました。
高い部分は脚立に乗り誘引と結束を行いますが、脚立に乗って1回に出来る作業は最大限幅90㎝程度でしょう。安全に行うのは幅60㎝の作業で、2間の幅の壁の誘引・結束を安全に行うには6回脚立を設置して、上り下りを繰り返さなくてはいけません。
経験者だったらお分かりですが、脚立を1回1回横にづらして行う作業は、地面に立って行う作業に比べて、感覚的には10倍位の作業量のような感じです。まして薔薇の壁の高さは3m近いため、高い所の結束は2,7mの高さになるはずです。
この薔薇が林立した壁の誘引と結束のご努力にはただただ頭が下がり、当たり前に見ては罰が当たります。

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草丈を揃えたオルレアとシノグロッサムのアプローチです。これだけきれい揃えるのは容易ではありません。

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洋館の玄関に着きました。玄関の周りにはコンテナ植えの花々が群がっています。

これら美しい花の寄せ植えを見ていると、庭作業だけでなくよく時間がとれるなと想ってしまいます。お花好きには野暮な疑問です。

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本格的な英国張りのボーダー花壇が現れました。左の薔薇はコルデスのジャスミーナです。

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背景に薔薇を配した本格的な厚みのあるボーダー花壇です。

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こちらは対岸のボーダーです。

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通路の突き当りの壁です。ここも中々魅力的なシーンを提供しています。

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来た道を戻ります。ここが一番のビューポイントと想われます。

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往路と違って復路はまた気が付かなかった光景を眼にすることができるのです。