薔薇のエッセイ7、那須の4軒の薔薇庭

8月20日の那須の薔薇です。今年の首都圏は例年に無い暑さでしたが、本来ならば涼しい那須も暑く感じましたが、那須の帰途、休憩で高速の蓮田SAで車から降りましたが、その暑さは尋常でなく、暑いと感じた那須の気温は、首都に比べるとかなり涼しいことが分かりました。

森田さんの話を聞くと近隣の薔薇を愛好するMOさん、MAさん、Sさんと薔薇の季節に4軒で花見会を催したとか。

岳友の長浜兄の手術のため、那須の森田さんの山荘は昨年の10月以来で、今年の薔薇の最盛期は見ることができませんでしたが、森田さんの薔薇の成長具合を見ると、今年のシーズンの様子はある程度判りました。近年植えた森田さんの薔薇はクライミングローズやランブラーローズが主体のため、来年はいよいよ3年目を迎え、パーゴラ、アーチ、フェンスに仕立てた薔薇は、シーズンには豪快な姿を見せるでしょう。とても楽しみです。

那須は森の美しい所です。ゴルフ場の森を背景とした森田さんの庭は、真夏の緑に包まれています。

今年、森田さんはウッディアーチを1本、新たに加えました。このアーチにによって庭の奥に続くローズアベニューの幅が明確になりました。

ローズアベニューの左側は以前からHTなど丈の低い薔薇が植えられていましたが、右側の菜園と明確に仕切るために、柱を建て格子を組んでしっかりとしたフェンスにクライマーを仕立てました。このフェンスによって森田さんの庭の特徴であるローズアベニューはより効果的になるでしょう。

ローズアベニューの奥は横拡がりの薔薇広場が現れます。

薔薇広場の横の奥庭は、格子を組んだフェンスで仕切り、2本のアーチを入り口としています。現在は未だ薔薇の茂り方が足らないので景観は今一ですが、来シーズンには見事になるでしょう。

薔薇広場の奥のフェンスには、私の最も好きな赤の名クライマー、ギネーと、ダークグリーンの照葉と白の花とのコンビネーションが抜群な名クライマー、シティ・オブ・ヨークが豪快に枝を伸ばしています。シティ・オブ・ヨークをさらに豪快に決めるためにはフェンスの高さが足りないため、継ぎ足しが必要になるかも知れません。
多分奥の横庭の突き当りが、森田さんの庭のハイライトになると想います。

この位置にDIYで豪快なパーゴラを設置した森田さんの意思が、ここが、通リから見た光景が森田さん宅のハイライトになりました。
手前のヒマラヤン・ムスクのパーゴラの存在と、きちんと剪定された生け垣が、その奥の庭に何が潜むいるのだろうと興味を沸かせる素材となっています。那須の美しい森を借景にした森田さんの庭の樹木と、新たに始めた薔薇の世界が調和し今後も、素晴らしい空間を作って行くでしょう。

那須のご近所のMAさんの庭

今回MAさんはお留守でしたが、久々に見させて頂きました。

MAさんはご夫妻で庭を楽しんでいます。MAさんの庭は薔薇と樹々と花と野菜がミックスした素晴らしい空間を作っています。そして庭を構成する構築物の基本はご夫妻がデザインされDIYを駆使して作っていますので、手作り感が溢れ庭にオリジナリティを与えています。

玄関を見ると室外機のカバーが眼に入ります。カラーリングがとても素敵です。

真夏の朝の陽光を浴びてコキアが光で輝いています。秋には美しい紅葉が始まりますが、MAさんの庭では大量のコキアが効果的に配置されているのが印象的です。

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ベジタブルガーデンです。同じ敷地内で野菜と草花が見事に競演しています。

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季節の花々が咲くボーダー花壇です。ボーダー花壇は易しそうですが、実は困難で究極の花壇の形だと想っています。

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MAさんの庭を拝見する際、いつもこういうガーデンアクセサリーについ眼が行ってしまいます。

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ガーデンアクセサリーは庭の素材でなくスパイスです。スパイスが効くことによって庭の味が深まるのだと想います。

那須のご近所のSさんの庭

Sさんの庭を見させて頂くのは初めてです。夏の盛り、植物が最も乱れる季節、そんな季節を感じないほど手入れをされた見事な庭でした。

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Sさんの庭の入り口に立ち、一面のヤブコウジの群植に出会い驚きました。こんな光景を見るのは初めてでした。ヤブコウジと言えば、冬にホームセンターの園芸売り場で出てくるポット上の小さな赤い実を付けた宿根草ですが、昔ガーデニングを始めた時、紅い実がかわいらしいので、手に入れて寄せ植えを行いました。冬の間赤い実はしばらくたっても萎れずそのままだったので、なんてお利口な草と思い、赤い実を摘まんだらそれはプラスチックの実でした。

この群落が冬になると一斉に赤い実を付けた姿を想像するだけで圧巻です。

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Sさんの庭は広く、母屋の敷地とは美しい生け垣で仕切っています。
庭の通路に埋め込まれた枕木はSさんがDIYで施工したそうです。

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庭の中央にガゼボが鎮座して効果的です。伺うとフィンランド製のキットで10年前に施工したそうです。シシラデコールで手入れも良く庭に風格を与えています。

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竜のひげが入らないように周りを仕切った薔薇の植栽です。薔薇は他の植物の根を嫌がるため実に効果的な手法です。

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イングリッシュローズのグレハム・トーマスが大株に仕立てています。芝庭とグレハム・トーマスの美しいイエローが素晴らしい対比を作る光景が眼に浮かぶようです。

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夏の盛りに暑さにも負けず咲き続ける赤薔薇が大好きです。品種を確認しませんでしたが、真夏の強光に負けないで咲く数多くない赤薔薇はとても健気に感じます。

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キバナコスモスは夏の花ですが、なぜか秋の訪れを感じさせてくれます。

森田さんの前のMOさんの庭

MOさんの奥様はかなり薔薇や花が好きです。森田さんの山荘に行く度に、すぐ前のMOさん宅の庭を拝見しています。

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MOさんのお宅は角地にあり、庭の2面が見渡せるこの角度がハイライトです。
昨年は、冬に入院したため私が那須を訪れたのは7月と10月、そして今年は8月で、ここ2年考えて見れば薔薇の最盛期には那須の薔薇を見ていません。MOさんが薔薇を本格的に植え出したのは3年前からで、森田さん宅と同じように薔薇の最盛期には庭を見ていないことに気が付きました。

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最盛期にはこのフェンスは見事だったと想います。

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このパーゴラは御主人がDIYで施工したものです。庭の雰囲気を盛り上げています。素人が初めて自分より背が高い構築物をDIYで施工するには中々勇気が必要です。台風で飛ばないかとか、基礎は大丈夫かと様々考えてしまいます。私も30年前初めて施行している時に、たまたま知り合いの墓石屋さんが訪ねて来たので、基礎などこまごまと確認を取り、安心して施工に取り掛かれたことを憶えています。

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MOさんの庭は、今年業者さんに依頼して大改造を施しました。アプローチとウッドデッキです。素敵なアプローチが出来て庭の基本的なレイアウトは不動になりました。

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大型のウッドデッキです。那須の森の中ではウッドデッキは寛ぎを与えてくれます。

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ウッドデッキがバーベキューの起点になりました。お孫さんもわいわいバーベキューを囲みガーデンライフを楽しんでいることでしょう。

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涼しい那須でも植物は良く茂ります。那須の上部の別荘地は冬は凍るため薔薇栽培の悩みは多く効きましたが、森田さんの山荘の別荘地は標高500mのため、冬でも雪が積もらず、夏期は涼しいため首都圏に比べると薔薇栽培に向いているような感じがします。
しかし森の多い那須でのガーデニングのデメリットとしては、強烈なアブがいること、どのような草むらに蛇が潜んでいることでした。
MAさんの奥様は蛇嫌いのため蛇が活動しなくなる季節まで、庭作業はあまりできないとおっしゃっていました。蛇嫌いの私も同感です。