菜園の夏の自然の贈りもの

初夏から今年の夏にかけて、日々の暮らしの中に、新たに加わった作業は、家庭菜園の雑草取りです。
家庭菜園は、今まで家内だけが行っていたため、野菜づくりに興味が無い私は無関係でした。借りていた菜園の1画は家内1人で耕すには広すぎるため、隣家の人に借りて貰っていました。
しかし昨年から隣家の御主人は健康の都合上、菜園の維持が出来なくなり断って来たので、面積が倍になってしまいました。
昨年1年間、隣の畑はほとんど手入れが出来ず雑草が生い茂り荒れていたため、早春のじゃがいもの植え付けから私の出番となりました。

3月の初旬、雑草を処理しジャガイモを植え付けました。

隣家に借りて貰っていた区画は涸用水と農道に面しているため、自然とこれらの場所の雑草処理も私の仕事に加わってきました。
菜園の端と涸用水の中から2本の樹が生えていました。このため、農道や涸用水の雑草処理に加えて2本の樹の剪定も私の仕事になりましたが、菜園内の雑草処理に比べるとが10倍ほど手間がかかってしまいました。農道や涸用水は借りている敷地でもないのに、何で畑以外の雑草処理までもと思うこともありましたが、放置してはみっともないため、それはそれで健康のためだと自分に言い聞かせて雑草処理を行って来ました。

名前の解らない樹。3月初旬、畑の雑草を採った後、何気なく撮影したものです。

手前の涸用水から生えた樹は種子が飛んで来て、長い間かかって大きくなった樹と思われ、先日2分の1に切り詰めました。この樹は花木でないため名前は判りません。奥の樹は、勝手に生えた樹でなく、以前この畑を借りていた人が植えたものです。もともと我が家は畑は借りていませんでしたが、以前借りていた近所の人が引っ越したため、回り回って我が家が借りることになったため、畑の片隅に植えられた樹の名前は確認できませんでした。

農道の端の雑草は枯れて横になった雑草ですが、宿根草のため根は土の中で健在です。これらの雑草を放置していたら瞬く間にジャングルになってしまうため、できる限り手で枯れた雑草を引っ張り地中から根を引きずり出しました。雑草という草は無いと言った牧野富太郎博士だったらどうしただろうか?一瞬頭をよぎりました。

土手に早くもアブラナの花が咲き始めたうららかな早春の日曜日、探鳥会のパーティが大勢土手の上からガイドの案内で探鳥しにやってくる季節になりました。

畑の端に植えられた不細工な樹の枝に、蕾がたくさんつけました。
梅でもなく、桃とは枝の出方が異なり、もしかして杏かなと期待が募ってきました。

いよいよ本格的な開花が始まりました。

この花を見て杏と確信し、この時大喜びで「杏の花とアプリコットの薔薇」というタイトルで長いブログをアップしました。


私にとってアプリコットカラーの薔薇には特別な想いがあり、私が薔薇に首を突っ込むきっかけの一つにアプリコットカラーの薔薇の存在があったのです。イミテーションでなく、本物のアプリコットカラーが見られるという、憧れていた杏の花が自分の畑で咲くとは思ってもいませんでした。

以前7月中旬に信州を旅した時、杏の里近くの姨捨の公営の売店で、初めて杏の実を購入しました。杏は直ぐ傷むからその日に食べないとと係の人に言われましたが、もう1泊の予定があり、家内も食べたことも無いだろうと宿では食べず、家に持ち帰りましたが、既にかなり傷みました。このことから今まで杏が流通していない理由が分かったのです。

杏の花が散り、枝に小さな青い実がびっしり付け始めると、今年は杏が楽しめるぞと期待に胸を躍らせました。

畑には週2回は雑草取りに通いましたが、杏の実の確認も主要目的にありました。しかし7月に入っても杏の実は青いままで、何時になったらアプリコットカラーになるのだろうと想いました。

なかなか色づかない実をかじっては味を確認しましたが、固く酸っぱい味で、もしかしたら杏ではないかなと想い始めたのです。


7月も終わりになり少し色づいてきたので、杏の収獲を始めました。
今年は畑が大雨のため短期間水没したため最初に植えたミニトマトは全滅し、2回目に植えたミニトマトもなぜか具合が悪く、全てブランド苗を購入したため1個当たりのコストがものすごくかかってしまいました。しかし反面ナスは大豊作でした。

杏は夜小型包丁で固い皮むながら食べましたが、酸っぱいだけで、大しておいしくなく、味は杏と程遠く、桃の1種だと思うようになりました。

8月に入り熟して落下する実もかなり出て来たので、全量収穫することにしました。実は杏でなく酸っぱい桃でした。恐らくスモモだったのでしょう。
アンズとスモモ、プラムは似た仲間で最期まで惑わされました。樹は花は杏で実はスモモというところでしょうか。

また畑が広がったためどこともなく種子が飛んで来てシソがそこかしこ大株になりました。家内はシソジュースもつくりましたが、シソジュースは家内は好んでいますが、私は飽きるためいつも飲んでいるわけではありません。

スモモの実はジャムに化けました。しかも上の画像の3倍ほど大量にできました。

私は生サラダに弱いため、野菜を摂取するため、朝食は米飯と私手作りの野菜炒めが常食ですが、このジャムが出来た8月初から、米食を止めてパン食に切り替えています。
イチゴやリンゴ、ブルーベリージャムは飽きた記憶があり、あまり食べ続けたことはありませんが、このスモモジャムは当分飽きそうにもありません。家内は砂糖を相当数入れていると言いますが酸味が程よく効いていることが飽きない原因かも知れません。


でもそれだけでなく農道の雑草採りの苦闘に対して、自然の神様が私に与えてくれた贈り物ではないかと想っています。